今回は前回からの続きで、乳歯列期の子ども(6歳頃まで)に、むし歯をつくらせないためのポイントをお話したいと思います。
子どもの嫌がる理由としては、「痛いからイヤ」と、「口の中に歯ブラシが入るのがイヤ」の2つが大きく挙げられます。「痛いからイヤ」にならないためには、上の前歯付近にある「上唇小帯」とよばれるヒダを触らないように磨くことが大切です。特に子供の上唇小帯は、歯間付近まで伸びていることが多いため、大人が自分の歯を磨く感覚で磨いていると、毛先があたり、痛みが出ます。2番目の「口の中に歯ブラシが入るのがイヤ」に関しては、早い段階から歯ブラシをくわえさせたりして、歯ブラシを口に入れることに慣れさせておくとよいと思います。
しかしこの時期の子どもにむし歯をつくらせないためには、歯磨きよりも、お菓子やジュースの与え方の方が大切です。乳歯は、永久歯よりも弱いので、糖や酸を多く含んだお菓子やジュースの影響を受けやすいです。現にむし歯の多い子どもは、歯磨きが悪いというよりは、お菓子やジュースのダラダラ食べをしていることが多いです。子育て中、お菓子の存在はとてもありがたいものですが、小さな子どものむし歯治療は、泣いて、騒いで見ていて本当にかわいそうです。親が存在を教えなければ、2、3歳の子どもから欲しがることはありません。兄弟がいる場合はなかなか難しいとは思いますが、お菓子やジュースのコントロールをお家で実践していただけたらと思います。