ワイヤーママ2018年8月号より、副院長が「歯並び・咬み合わせ相談室」というコラムの連載を始めました。
世の中には、歯並びや、咬み合わせが悪い人がいる一方、特別なことをしていないのに歯並びがきれいで、咬み合わせも良い人がいます。なぜ、このような違いがでるのでしょうか?
そして、その歯並びや、咬み合わせの良い人の顔立ちを思い浮かべて下さい。顔立ちが整っている人が多いように思いませんか?
実は、歯並びや咬み合わせの良い人の顔面の骨格や筋組織は発達が良く、呼吸や、発声、咀嚼、嚥下などの機能も優れていることが多いのです。つまり、優れた形態になるためには、優れた機能の獲得が必要だということです。では、その優れた機能はどのようにして獲得できるでしょうか?
口腔機能の発達は子供が生まれた瞬間から始まります。生まれてすぐに産声を挙げ、呼吸をし、母乳を飲み、ハイハイをして、食事や会話ができるようになって・・・と、それら日常の動作すべてを通して、子供達の口腔機能は発達していくのです。つまり、生まれてから、乳幼児期にかけて順調に口腔機能が発達したか否かが、大きな鍵となってくるのです。
先天的な問題もあるので、すべてがそうとは言えませんが、顔面の骨格や筋組織、呼吸や、発声、咀嚼、嚥下などの機能が健全に発達するよう働きかけることが、良い歯並びや、咬み合わせを獲得するためには必要になってくるのです。
あなたのお子さんの口腔機能は順調に発達しているでしょうか?
次号は、その見極めポイントについてお話したいと思います。
前回は、咀嚼、嚥下などの口腔機能が健全に発達することが、良い歯並びや咬み合わせにいかに重要なのかをお話ししました。
そこで、「私の子どもは、きちんと口腔機能が発達しているのかしら?」
と不安になったお母さん達もいらっしゃるかと思います。
そこで食事を例に、簡単な見極めポイントをお話ししたいと思います。
□食べる時に口元を汚す
□食べる時にクチャクチャ音を立てて食べる
□食べる時に舌を出す
□食べ物がなかなか飲み込めない
□食べ物を口いっぱいに頬張る
□かまないで丸飲み込みする
この項目に一つでもあてはまると、口腔機能の発達に何らかの問題があると考えられます。そして、この項目を見て、「私の子ども、どうやって食事しているかしら?」と思うお母さんが多かったかと思います。子どもが何をどれだけ食べたか、何が好きで何が嫌いかはよく理解しているのですが、食べ方に関しては、意識して見ていないことが多いので、異常を見逃しやすいのです。今からでも遅くはありません。お子さんがどんなふうに食事をしているか、ゆっくり観察してみて下さいね。