前回お話した正常な咬み合わせをもとに、今回からは、子どものお口の成長にそって、段階ごとに注意しなければいけない咬み合わせについてお話したいと思います。
乳歯は3歳くらいまでにすべてはえそろい、次第に咬み合わせが安定してきます。それまでは咬み合う位置が不安定であることが多く、咬み合わせがなかなか定まらない場合が多いです。したがって、乳歯が全部はえそろう3歳頃までは、特に咬み合わせについて神経質になる必要はないでしょう。
この時期は、咬み合わせよりも、むし歯をつくらないことが大切です。
よく、この年頃のお子さんを持つお母さんから「歯磨きを嫌がって困ります。」というお悩みを聞くことがあります。歯磨きを嫌がられないようにする技術的なポイントはいくつかありますが、それをもってしても、やっぱり嫌がられることはあります。
私の下の子供は現在2歳ですが、まだ本能のおもむくままに生きているので、嫌いなものは嫌い、だから嫌いなことや、気分が乗らないことはしない。と、徹底しています。つまり、「お菓子をたくさん食べたから、むし歯にならないよう、歯磨きしようね。」とか、「歯磨きしないのなら、お菓子もうあげないよ。」というのは正論ですが、本能のおもむくままに生きているこの頃の子どもには、「お菓子は美味しいから食べるよ。でも歯磨きは嫌いだからイヤ。」としかなりません。もちろん、子どもはきちんと成長し、次第に理解ができ、我慢ができるようになるので、言い続けることは大切です。でもそこに頼りすぎるのはまだ難しい年頃ではないかと経験上思います。
次回は、咬み合わせとは少し離れますが、この年代の子どもにむし歯をつくらせないためのポイントをお話したいと思います。