前回は子どものむし歯のお話をして、咬み合わせから少し話が離れましたが、今回はまた、咬み合わせのお話に戻りたいと思います。
今回は、乳歯が萌えそろった3歳頃から前歯の乳歯が永久歯に萌え換わる7歳頃までの咬み合わせについてお話したいと思います。
歯並びと、全身の成長は切り離して考えられがちですが、歯根が埋まっている顎骨は、子どもの成長とともにその容積を増していきます。歯根とは歯の下方部分のことを言い、歯の上方は歯冠、境界部は歯頸と言います。
特に上の歯が埋まっている上顎骨(上あご)は、頭蓋骨(頭の骨)の一部であり、そしてその頭蓋骨の中には脳があり、脳は言わずと知れた子どもの成長に必要なホルモンを出してくれる大切な場所です。つまり、上顎骨の成長に問題があると、それが乳歯の問題ある歯並びとなって現れるわけですから、乳歯の歯並びは身体全体の成長発育の状態を指し示していると言っても過言ではないかもしれません。
また、上顎骨や脳を含む神経系統は生まれてから5歳頃までに80%の成長を遂げるので、この成長発育が旺盛な時期に歯並びに問題がある場合は、早期に取り除くことが望ましいと思われます。
次回は、具体的にこの時期に注意すべき歯並び・咬み合わせについてお話したいと思います。